悩み相談~『辛口サイショ-の人生案内』・最相葉月著より
今回は子から親に関する相談です。親子関係は一生続くものですが、子供が親のことを「心配する」「切望する」あるいは「憎悪」など、いろんな感情があることでしょう。最相さんが読売新聞「人生案内」で回答された記事の一部です。
【Q1】元校長の両親・仮面夫婦~30代女性
両親ともに元校長。世間からは教育者一家と見られていますが、実は家庭崩壊しています。物心ついた頃から両親の仲は悪く、とても管理職とは思えない言葉で口げんかしていました。最大の原因は、父の女性関係。ただ、父のことを全く構わない母にも原因はあると思います。
父は相手の女性のことを話しません。地位もある立派な母ですが、娘から見ると哀れな女性。ふびんでなりません。2人は立場上、一緒に暮らしてきましたが、家庭内別居の状態で休日も別行動で、冷たい空気が漂う仮面夫婦です。両親と同居している弟はまだ独身ですが、きちんと仕事をしているので、離婚しても問題ありません。もうそれぞれの人生を送ればいいと思うのですが。
【A】対面を気にして離婚しない両親にいら立ち、別れればいいのにと思うのは、娘として当然の感情だと思います。しかし実際に別れると、特に母親は娘だけが頼りになります。今は2人共元気ですが、病気になれば、別々の家に住む両親を介護するのは大変です。息子よりも娘に重い負担がかかるようです。
ただ、外野が何を言おうが離婚は両親が決めること。現状維持を望むというなら、家庭内別居を快適にすることを考えてあげてはいかがですか。寝室は既に別でしょうが、家事はどうですか。家事代行業者に依頼するなどして、母親をまず家事から解放してあげてください。
よそに女性がいる夫のために、妻が家事をする必要などありません。部屋を改装してもいいかもしれませんね。幸い両親とも管理職の収入があったのですから、お金で解決できる部分はお金で、と割り切ることも選択肢の1つだと思います。
【Q2】別れた亡母の人生を知りたい~40代女性
私と姉が幼い頃、実母のアルコ-ル依存症が原因で両親が離婚。父は再婚したものの、私は継母に虐待されました。その後、父と継母は別居。今私は夫と子の3人暮らし。幼い日の辛い体験のせいか、子育てに悩み、リストカットしたことも。カウンセリングを受け、生き方を学んできました。ようやく落ち着いてきた最近、「妹」のことを思い出しました。当時、継母は女の子を連れていました。私を慕ってくれたその子と会って話をしたい。一方、実母も再婚して女の子を産んだと聞きました。こちらの妹にも会って、今は亡くなった実母のその後の人生を尋ねてみたい気持ちになりました。
ところが、父は「今さら」と怒り出し、姉も過去とは関わりたくない様子。私が行動を起こすと、周りの人の心を乱し、迷惑をかけるでしょうか。「妹」に会いたい気持ちは我慢すべきでしょうか。
【A】離婚は夫婦だけでなく、親子や兄弟の関係まで断ち切ります。会いたくても会えない親子や兄弟の数は、離婚件数のいったい何倍になるでしょうか。子育てにつまずき、十分すぎるほど苦しみぬいた上で、ご自身の歩んできた時間の空白に気づいて、それを埋めたいと願うのは、人として当たり前のことだと思います。
ただ父親や姉がそうであるように、同じ出来事でも経験した年齢や立場が違えば、感じ方や受け止め方が異なります。幼かったあなたには知らされていない事情があるかもしれません。
例えば、両親の離婚原因は母親のアルコ-ル依存症だったそうですが、その原因を作ったのが父親だったとしたらどうでしょうか。これは仮定の話ですが、空白を埋める作業には、そうした思いがけない事実に打ちのめされる危険が伴うのです。
周囲に悪いと躊躇するぐらいならやめた方がいい。真相がどうであれ、ありのままを受け止める覚悟があるというなら、誰もあなたを止められません。さもなくば前に一歩も進めないのでしょうから。
いかがでしたか。最後は少々辛口だったようですね。でも「そのくらいの覚悟を持って」というエ-ルだったような気もします。最初の相談では、親のことであっても、夫婦のことは結局当事者にしかわからない部分があるのではないかと思います。心配する娘さんの気持ちもわかりますが、弟さんはどう思っているのか聞いてみると、また違った視点が得られるのではないでしょうか。「親の心、子知らず」と言いますが、「子の心、親知らず」もありですね。

【Q1】元校長の両親・仮面夫婦~30代女性
両親ともに元校長。世間からは教育者一家と見られていますが、実は家庭崩壊しています。物心ついた頃から両親の仲は悪く、とても管理職とは思えない言葉で口げんかしていました。最大の原因は、父の女性関係。ただ、父のことを全く構わない母にも原因はあると思います。
父は相手の女性のことを話しません。地位もある立派な母ですが、娘から見ると哀れな女性。ふびんでなりません。2人は立場上、一緒に暮らしてきましたが、家庭内別居の状態で休日も別行動で、冷たい空気が漂う仮面夫婦です。両親と同居している弟はまだ独身ですが、きちんと仕事をしているので、離婚しても問題ありません。もうそれぞれの人生を送ればいいと思うのですが。
【A】対面を気にして離婚しない両親にいら立ち、別れればいいのにと思うのは、娘として当然の感情だと思います。しかし実際に別れると、特に母親は娘だけが頼りになります。今は2人共元気ですが、病気になれば、別々の家に住む両親を介護するのは大変です。息子よりも娘に重い負担がかかるようです。
ただ、外野が何を言おうが離婚は両親が決めること。現状維持を望むというなら、家庭内別居を快適にすることを考えてあげてはいかがですか。寝室は既に別でしょうが、家事はどうですか。家事代行業者に依頼するなどして、母親をまず家事から解放してあげてください。
よそに女性がいる夫のために、妻が家事をする必要などありません。部屋を改装してもいいかもしれませんね。幸い両親とも管理職の収入があったのですから、お金で解決できる部分はお金で、と割り切ることも選択肢の1つだと思います。
【Q2】別れた亡母の人生を知りたい~40代女性
私と姉が幼い頃、実母のアルコ-ル依存症が原因で両親が離婚。父は再婚したものの、私は継母に虐待されました。その後、父と継母は別居。今私は夫と子の3人暮らし。幼い日の辛い体験のせいか、子育てに悩み、リストカットしたことも。カウンセリングを受け、生き方を学んできました。ようやく落ち着いてきた最近、「妹」のことを思い出しました。当時、継母は女の子を連れていました。私を慕ってくれたその子と会って話をしたい。一方、実母も再婚して女の子を産んだと聞きました。こちらの妹にも会って、今は亡くなった実母のその後の人生を尋ねてみたい気持ちになりました。
ところが、父は「今さら」と怒り出し、姉も過去とは関わりたくない様子。私が行動を起こすと、周りの人の心を乱し、迷惑をかけるでしょうか。「妹」に会いたい気持ちは我慢すべきでしょうか。
【A】離婚は夫婦だけでなく、親子や兄弟の関係まで断ち切ります。会いたくても会えない親子や兄弟の数は、離婚件数のいったい何倍になるでしょうか。子育てにつまずき、十分すぎるほど苦しみぬいた上で、ご自身の歩んできた時間の空白に気づいて、それを埋めたいと願うのは、人として当たり前のことだと思います。
ただ父親や姉がそうであるように、同じ出来事でも経験した年齢や立場が違えば、感じ方や受け止め方が異なります。幼かったあなたには知らされていない事情があるかもしれません。
例えば、両親の離婚原因は母親のアルコ-ル依存症だったそうですが、その原因を作ったのが父親だったとしたらどうでしょうか。これは仮定の話ですが、空白を埋める作業には、そうした思いがけない事実に打ちのめされる危険が伴うのです。
周囲に悪いと躊躇するぐらいならやめた方がいい。真相がどうであれ、ありのままを受け止める覚悟があるというなら、誰もあなたを止められません。さもなくば前に一歩も進めないのでしょうから。
いかがでしたか。最後は少々辛口だったようですね。でも「そのくらいの覚悟を持って」というエ-ルだったような気もします。最初の相談では、親のことであっても、夫婦のことは結局当事者にしかわからない部分があるのではないかと思います。心配する娘さんの気持ちもわかりますが、弟さんはどう思っているのか聞いてみると、また違った視点が得られるのではないでしょうか。「親の心、子知らず」と言いますが、「子の心、親知らず」もありですね。
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